MENU

Column

キッチンが主役の家

浜松市 松浦様邸

「2017年 花家族39号より」

 

去りゆく夕暮れに染まる頃、松浦邸のキッチンでは「本日のディナー」の支度が始まっていました。ドイツ製のオーブンからはすでに甘い香りが漂い、焼きあがったばかりのマドレーヌはパティスリーのショーケースに並びそうなほどの完成度です。

スイーツを担当するのは中学時代からお菓子作りを愛してやまない奥様。「まだ暑いからバターの代わりに軽いサワークリームにして、オレンジリキュールの香りも少し加えてあります。」と教えてくださいました。

そしてエプロン姿が凛々しいご主人は、前菜のオランデーズ風ソースの素材を手際よく合わせながら「大学時代には年に100回は友達を呼んで料理を作って家飲みをしていました。今も多い時で週3回食事に来る友達もいますし、新しい家でレストランごっこをしたかったんです」と笑いつつ、みるみるうちにコースを仕上げていきます。

和食、イタリアン、フレンチと手掛けるジャンルも幅広く、ワインエキスパートの資格もお持ちです。

そんなご夫婦が家を建てようと考えた時、「キッチンが主役の家」となるのは必然でした。ところが当時ハウスメーカーを何社か訪ねてみると「どこへ行っても『キッチンのサイズが規格外になると家が建てにくい』と言われてしまって」とのこと。

定型の間取りや標準の調理機器では到底できない、おふたりが思い描いたオーダーキッチンを中心としたお住まい。

それが花みずき工房と出会っていただいたことで叶えられたことをご夫妻は満面の笑みで語ってくださいました。

素朴で飾らない、それでいて品のある美しさを求めて・・

 

インテリアに用いた天然木の多くは、奥様のご実家がある山口の家具屋さんで吟味し、取り寄せたもの。

長尺のキッチンカウンターと大黒柱には、硬くて水に強い栗の木を据え、さりげない耳付きの1枚板の天板が温かな表情をもたらします。

キャビネットの面材には優しい印象のホワイトオーク、ダイニングテーブルにはナラ材など、素朴で飾らない、それでいて品のある美しさがメインダイニングの空間を満たしています。

日々の献立も、おもてなしの料理も、自分たちの手で生み出してゆくくつろぎの時間をゆっくりと味わい、「目の前の大切な人を笑顔にしてあげたい」という想いと心のつながりは、この新たなお住まいでさらに深まってゆくことでしょう。

SPEC

Related Articles

この記事を見た人は、次の記事もチェックしています