無垢の床は、日々のちょっとしたケアで、長く美しさと心地よさを保つことができます。
基本は乾いたモップや柔らかい布での乾拭き。ホコリや細かなゴミをやさしく取り除くことで、木の表面を傷つけず清潔に保てます。
水拭きが必要な場合は、固く絞った布で軽く拭く程度にとどめ、過剰な水分は避けましょう。樹種によっては膨張や反りの原因となることがあります。
・汚れへの対処法
飲み物や食べ物をこぼしたときは、すぐに柔らかい布でやさしく拭き取るのが基本です。
落ちにくい汚れは、水で少し湿らせたメラミンスポンジで軽くこすりましょう。それでも落ちない場合は、細かめのサンドペーパー(#240〜#320程度)で木目に沿って優しく削ります。
仕上げに蜜ろうワックスやオスモカラーなどの天然オイルを薄く塗布すると、木の保護と艶出しの両方に効果的です。
・浅い傷への対処法
ナラやウォールナットなど硬めの木でも、家具の移動やペットの爪で細かな傷がつくことがあります。浅い傷は、サンドペーパーで軽く表面をならした後、オイルやワックスを薄く塗り込むと自然に目立たなくなります。パインやスギなどの柔らかい木の場合は、削りすぎないよう特に注意しましょう。少しずつ整えるのがポイントです。
・深い傷への対処法
深めの傷やへこみは、木の繊維を再びふくらませることで修復できます。まず、傷の部分に濡らした布をあて、その上から中温(120〜150℃程度)に設定したアイロンを軽く押し当てます。布の水分と熱によって木が膨らみ、へこみが目立たなくなります。数回に分けてゆっくり行うのがコツです。完全に乾いたら、細かいサンドペーパーで表面を整え、仕上げにワックスやオイルを薄く塗布して保護します。
・日焼けへの対処法
無垢材は紫外線の影響を受けやすく、時間とともに色合いが変化します。ナラやチェリーなどは日光で深みを増す一方、メープルやアッシュなど明るめの木は色褪せが目立ちやすい傾向があります。変色が気になる場合は、細かいサンドペーパーで表面を軽く削り、天然オイルやワックスを塗布すると色の差が和らぎます。また、日焼けムラを防ぐには、家具の配置を定期的に変える、レースカーテンやブラインドで光をやわらげる、ラグを部分的に敷くといった工夫も効果的です。
・ワックスのお手入れ
無垢の床は、年に1〜2回程度のワックス塗布で美しい艶と保護力を維持できます。塗布の際は、木目に沿って薄く均一に伸ばし、乾いた布で軽く磨き上げるのがポイント。ムラになりにくく、自然な仕上がりになります。花みずき工房では、天然由来のドイツ製ワックス「リボス」をおすすめしています。リボスは木の呼吸を妨げず、ペットや小さなお子さまがいるご家庭でも安心。自然なツヤと高い保護効果を兼ね備え、木本来の質感を長く楽しめます。
さらに、花みずき工房では無垢床のお手入れを実際に体験できる「メンテナンス体験会」を定期的に開催しています。傷や汚れ、日焼けへの対処法、ワックスの塗り方などをスタッフが実演しながら解説いたしますので、初めての方でも安心してご参加いただけます。
日々のケアを通して、無垢の床と向き合う時間は、暮らしを丁寧に整える豊かなひととき。
木とともに育つ住まいの心地よさを、ぜひ体験してみてください。