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花みずき工房

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April 25 (Sun)
life style

お家はこんな風にかわいがる

年月とともに美しく育つ、
無垢床のある暮らし

住まいは、完成したその瞬間から、その姿を変えていきます。
花みずき工房では、自然素材の魅力を最大限に生かした家づくりをご提案しています。
なかでも無垢の床は、年月を重ねるごとにその表情を変え、家族の時間を静かに刻んでいきます。季節の移ろいや光の差し込み方によっても、木の色合いや質感は少しずつ変化し、その変化が住まいに深みと温もりを与えます。
そこで今回は、無垢床の魅力を知りながら、永く心地よく付き合っていくためのポイントとお手入れ方法をご紹介いたします。

無垢の床がつくる、心地よい日常

無垢の床は、一本の木から切り出された自然素材です。人工的に加工された建材とは異なり、ひとつとして同じものはなく、木の年輪や節、色の濃淡などが持つ個性は、室内空間に豊かな表情をもたらします。素足で歩いたときに伝わるやわらかな感触は、自然素材ならではの心地よさ。夏はさらりと涼しく、冬はほんのりとした温かみがあり、一年を通して快適に過ごせます。
また、無垢材は呼吸する素材でもあります。湿度の高い季節には水分を吸収し、乾燥する冬には水分を放出して、室内の湿度を自然に調整。エアコンや加湿器に頼りすぎることなく、快適な空気環境を保つことができます。
こうした自然の力がもたらす穏やかな空気感は、日常の中で心を整え、居心地の良い暮らしへと導いてくれます。

時を重ねて味わう、経年変化の美しさ

無垢の床には、年月とともに表情を深めていく「経年変化」という楽しみがあります。新築のころは明るく清々しかった木肌が、光や空気に触れるうちに少しずつ飴色に変わり、やがて艶やかで落ち着いた印象へと育っていきます。その変化は、素材が古びていくのではなく、木が環境に馴染み、暮らしとともに歩んでいく証。
日々の暮らしの中でつく小さな傷や凹み、日焼けの跡さえも、その家で過ごした時間の積み重ねとして味わいを増していきます。年月とともに深まる風合いは、人工素材では決して再現できない自然の美しさ。住まう人の暮らしが映し出され、世界にひとつだけの表情をつくり出します。

無垢床を守る3つのポイント

無垢の床は、樹種ごとに異なる香りや質感、経年による表情の変化など、自然素材ならではの魅力にあふれています。その一方で、自然ゆえの特性を理解し、日々の暮らしの中で少し気を配ることが、美しさと心地よさを長く保つ秘訣です。
ここでは、無垢床と上手に付き合うための3つのポイントをご紹介します。

1. 水分から守る

無垢材は湿気を吸収・放出する「呼吸する素材」です。特にナラ(オーク)やメープルなどの広葉樹は比較的安定性が高い一方、パインなどの針葉樹は水分を吸いやすく、膨張や反りが起こりやすい傾向があります。水や飲み物などをこぼした場合はすぐに拭き取り、濡れた雑巾ではなく、固く絞った布で軽く拭く程度にとどめましょう。また、キッチンや洗面所など水が飛びやすい場所では、吸水マットや珪藻土マットを活用すると安心です。

2. 傷から守る
無垢材は樹種によって硬さが異なります。ナラやウォールナットは比較的硬く傷がつきにくい一方、パインやスギなどは柔らかく、小さな傷や凹みがつきやすい素材です。ただし、これらの傷も時間の経過とともに馴染み、味わいとして風合いを深めていきます。
家具の脚にはフェルトパッドを貼り、椅子を引くときは持ち上げるなど、ちょっとした工夫で床のダメージを最小限に抑えることも可能です。

3. 熱から守る
無垢材は熱により膨張や収縮を起こす性質があります。特に柔らかめのパインや湿度変化に敏感なビーチ(ブナ)などは、ホットカーペットや床暖房の熱で反りや割れが生じやすくなります。床暖房を導入する場合は、ナラやチークなど熱に強い樹種を選ぶか、専用の断熱マットを敷いて直接の熱を避けるのが安心です。また、急激な温度変化を避け、一定の湿度(40〜60%)を保つことも無垢床を長持ちさせるポイントです。

暮らしの中でできる、無垢床のお手入れ

無垢の床は、日々のちょっとしたケアで、長く美しさと心地よさを保つことができます。
基本は乾いたモップや柔らかい布での乾拭き。ホコリや細かなゴミをやさしく取り除くことで、木の表面を傷つけず清潔に保てます。
水拭きが必要な場合は、固く絞った布で軽く拭く程度にとどめ、過剰な水分は避けましょう。樹種によっては膨張や反りの原因となることがあります。

・汚れへの対処法
飲み物や食べ物をこぼしたときは、すぐに柔らかい布でやさしく拭き取るのが基本です。
落ちにくい汚れは、水で少し湿らせたメラミンスポンジで軽くこすりましょう。それでも落ちない場合は、細かめのサンドペーパー(#240〜#320程度)で木目に沿って優しく削ります。
仕上げに蜜ろうワックスやオスモカラーなどの天然オイルを薄く塗布すると、木の保護と艶出しの両方に効果的です。

・浅い傷への対処法
ナラやウォールナットなど硬めの木でも、家具の移動やペットの爪で細かな傷がつくことがあります。浅い傷は、サンドペーパーで軽く表面をならした後、オイルやワックスを薄く塗り込むと自然に目立たなくなります。パインやスギなどの柔らかい木の場合は、削りすぎないよう特に注意しましょう。少しずつ整えるのがポイントです。

・深い傷への対処法
深めの傷やへこみは、木の繊維を再びふくらませることで修復できます。まず、傷の部分に濡らした布をあて、その上から中温(120〜150℃程度)に設定したアイロンを軽く押し当てます。布の水分と熱によって木が膨らみ、へこみが目立たなくなります。数回に分けてゆっくり行うのがコツです。完全に乾いたら、細かいサンドペーパーで表面を整え、仕上げにワックスやオイルを薄く塗布して保護します。

・日焼けへの対処法
無垢材は紫外線の影響を受けやすく、時間とともに色合いが変化します。ナラやチェリーなどは日光で深みを増す一方、メープルやアッシュなど明るめの木は色褪せが目立ちやすい傾向があります。変色が気になる場合は、細かいサンドペーパーで表面を軽く削り、天然オイルやワックスを塗布すると色の差が和らぎます。また、日焼けムラを防ぐには、家具の配置を定期的に変える、レースカーテンやブラインドで光をやわらげる、ラグを部分的に敷くといった工夫も効果的です。

・ワックスのお手入れ
無垢の床は、年に1〜2回程度のワックス塗布で美しい艶と保護力を維持できます。塗布の際は、木目に沿って薄く均一に伸ばし、乾いた布で軽く磨き上げるのがポイント。ムラになりにくく、自然な仕上がりになります。花みずき工房では、天然由来のドイツ製ワックス「リボス」をおすすめしています。リボスは木の呼吸を妨げず、ペットや小さなお子さまがいるご家庭でも安心。自然なツヤと高い保護効果を兼ね備え、木本来の質感を長く楽しめます。



さらに、花みずき工房では無垢床のお手入れを実際に体験できる「メンテナンス体験会」を定期的に開催しています。傷や汚れ、日焼けへの対処法、ワックスの塗り方などをスタッフが実演しながら解説いたしますので、初めての方でも安心してご参加いただけます。
日々のケアを通して、無垢の床と向き合う時間は、暮らしを丁寧に整える豊かなひととき。
木とともに育つ住まいの心地よさを、ぜひ体験してみてください。

住まいは、完成して終わるものではなく、年月をかけて育てていくものです。無垢の床は、その過程をいちばん身近に感じさせてくれる素材です。年月を重ねるほどに味わいを増し、家族の思い出を刻んでいく床だからこそ、手をかけるほどに愛着が深まります。日々の暮らしの中で木の表情の変化を楽しみながら、心地よさや温もりを感じる時間も、無垢床の魅力のひとつです。
花みずき工房では、無垢材の魅力を長く楽しんでいただけるよう、素材選びから施工後のサポートまで丁寧に行っています。お手入れの仕方やメンテナンス方法について詳しく知りたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。


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Shiho Matsuyama

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