静岡県の暮らしに寄り添う、住まいの防災知識
静岡で安心して暮らす
防災から考える家づくり


静岡の地形がもたらす災害リスクとは
静岡県は、太平洋に面した長い海岸線と南アルプスなどの山々に囲まれた、自然豊かな地形が特徴の地域です。この恵まれた自然は暮らしに潤いをもたらす一方で、災害リスクの高い側面も持ち合わせています。特に静岡県は、駿河・南海・相模の3つのトラフの境界に位置し、地下では4つのプレートが接する、極めて地震活動が活発な場所です。沿岸部では津波や地盤の液状化のリスクがあり、近年では、台風や線状降水帯による豪雨も増加しています。さらに、山間部や急傾斜地では土砂災害の危険性も高く、住宅地の選定には十分な注意が必要です。
また、富士山の火山活動にも注意が必要で、仮に噴火が起きた場合、広範囲にわたる火山灰の降下により、健康被害やライフラインの停止、交通への影響も想定されます。こうした多様なリスクに対し、行政も津波避難施設の整備やハザードマップの更新などの防災対策を進めていますが、最終的には「どこに住むか」「どんな家を建てるか」といった個人の判断が、災害による被害を左右する重要な要素となります。

南海トラフ地震とは?静岡県における想定被害
南海トラフ地震とは、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として発生する海溝型の巨大地震のことを指します。プレートの沈み込みにより蓄積されたひずみが限界を超えることで、周期的に大地震を引き起こします。この地震は、歴史的に見ても、約100〜150年ごとに繰り返し発生しており、最後の発生からすでに約80年が経過しています。こうした過去の発生間隔を踏まえると、現在はいつ起きてもおかしくない時期に差しかかっているといえます。もし巨大地震が発生した場合、気象庁の想定データによると、静岡県では最大震度6強以上の揺れと、沿岸部における最大10メートルを超える津波が予測されており、建物の倒壊や火災に加え、長期の停電・断水・交通網の寸断など、生活基盤への深刻な影響も懸念されます。最悪の場合、静岡県内だけで10万人を超える犠牲者が出る可能性も指摘されているため、こうしたリスクを正しく知ることが、命を守る第一歩です。
静岡県では、地域ごとの地震・津波・液状化の被害想定を「静岡県統合基盤地理情報システム(静岡県GIS)」で公開しており、暮らす地域の危険性を事前に把握しておくことが大切です。

家づくりにおける、住まいの防災3つの視点
南海トラフ地震をはじめとする巨大災害が懸念される今、「どのような家に住むのか」は、家族の命と暮らしを守るうえで極めて重要です。住まいを建てる際は、デザインや快適性だけでなく、防災の視点も欠かせません。ここでは、家づくりの基本となる「防災の3つの視点」についてご紹介いたします。

耐震・制震・免震についてはこちら >>
3.避難しやすい間取り設計

花みずき工房が考える「防災に強い家」
大規模災害が発生した際、すべての人がすぐに避難所へ移動できるとは限りません。沿岸部に限らず内陸部でも、地盤の液状化や土砂災害のリスクがあり、道路の寸断や渋滞により、「自宅で避難生活を送る(=在宅避難)」ことを余儀なくされるケースも多く想定されます。だからこそ私たちは、「住まいそのものが命と暮らしを守る避難所であるべき」と考えています。花みずき工房では、災害時にも安心して暮らし続けられる家づくりを目指し、以下の取り組みを行っています。
建築基準法で定められた「耐震等級1」は、数百年に一度とされる大地震でも倒壊しない最低限の基準です。花みずき工房では、これを大きく上回る「耐震等級3」を標準仕様としています。これは、震度6強〜7クラスの大地震にも耐えられる構造で、耐震等級1の約1.5倍の強度を持ちます。さらに、構造計算には全棟「許容応力度計算」を採用。より精密な解析に基づく設計で、建物の倒壊リスクを最小限に抑えています。
2. 制振装置「ガルコン」の導入
耐震性能に加え、揺れを吸収・軽減するための制振技術も重要です。花みずき工房では、繰り返す余震や大きな揺れへの備えとして、制振装置「ガルコン」を導入しています。この装置により、構造体へのダメージを抑え、地震後も補修によって安心して住み続けられる家を実現しています。
3. 高低差のある土地への対応力
傾斜地やがけ地などの高低差のある土地は、眺望や採光に恵まれる一方、地盤変動や土砂災害のリスクも伴うため、より高度な安全対策が求められます。花みずき工房では、敷地ごとの地形・土質・排水状況などの調査・分析を行い、必要に応じて地盤改良・杭打設・高基礎の設計といった構造的な対策を施しています。さらに、建物配置や外構計画も含めた総合的な視点で、安全性を確保することで、災害に強く、かつ暮らしやすい住まいづくりを実現しています。

家族で備える「暮らしの防災習慣」
住まいの防災性能がどれほど高くても、いざというとき家族がどう行動するかによって、被害の大きさやその後の生活に大きな差が生まれます。建物の強さに頼るだけでなく、日頃から「家族みんなで防災を意識し、小さな備えを重ねること」が、災害に強い暮らしへの第一歩です。ここでは、ご家庭で無理なく取り組める3つの防災対策をご紹介いたします。
防災は「特別なこと」ではなく、「暮らしの一部」にしていくことが大切です。無理なく、できることから少しずつ。家族の命と未来を守るための習慣として、今日から始めてみませんか?

暮らしに根ざした防災を、地域とともに
災害に強い家をつくるには、構造性能や設備だけでなく、その土地に根ざした知恵と配慮が欠かせません。私たち「花みずき工房」は1994年の創業以来、静岡県を拠点に3,000組を超えるご家族の家づくりに携わってまいりました。この地で暮らし、この地を知り尽くしているからこそ、南海トラフ地震をはじめとする自然災害に向き合う家づくりにも、静岡ならではの視点を活かすことができます。花みずき工房が何より大切にしているのは、ご家族一人ひとりの「暮らしのテーマ」を丁寧に見つめ、かたちにすること。その中には自然と、「防災」という視点も織り込まれていくべきだと私たちは信じています。これからも静岡の暮らしに寄り添いながら、ご家族が安心して住み続けられる「防災」と「豊かな暮らし」を結ぶ家づくりを、誠実に続けてまいります。今回は、静岡県の住まいと防災についてご紹介いたしました。災害に備えることは、日々の暮らしを守るために非常に重要なことです。花みずき工房では、お客様それぞれの暮らしのテーマに寄り添いながら災害に強く、心地よく暮らせる住まいづくりをご提案しています。防災、性能に関するご相談や、ご家族の暮らしに合わせた設計のご希望など、気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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