浜松市の土地価格は値上がり中?
今後の地価予測と費用相場


浜松市の土地価格は本当に値上がりしている?
近年、「浜松市の地価が上がっている」と耳にすることが増えました。実際、2025年の公示地価によると、浜松市全体の住宅地平均は1㎡あたり約88,700円(坪単価約293,200円)で、10年前の約77,000円(坪単価約254,000円)から約15%ほど上昇しています。しかし、この数字だけを見て「全体が値上がりしている」と結論づけるのは早計です。実態はエリアによって大きく異なります。たとえば、浜松市中央区のような駅近や再開発が進む地域では、近年も年1%前後の安定した上昇が続き、曳馬や小豆餅、幸町などでは坪単価がここ数年で約25万円台から30万円近くまで上昇した例もあります。一方で、郊外や山間部の一部地域では、むしろ微減傾向が続いているケースも見られます。
つまり、浜松市の地価は「全体としては緩やかな回復傾向にある」が、「上昇しているのは一部地域」というのが実態です。物件の購入や土地探しを考える際には、平均値だけでなく、地域ごとの地価動向をしっかり確認することが重要と言えます。

浜松の地価推移と今後の見通し
浜松市の地価は、1990年代初頭のバブル崩壊以降、長らく下落基調が続いてきました。1993年には1㎡あたり約135,000円(坪単価約446,000円)を超えていた市内平均も、その後20年以上にわたり下落を続け、2015年には約77,000円/㎡(坪単価約254,000円)まで落ち込みました。実に40%以上の下落幅であり、バブル崩壊の影響の大きさがうかがえます。
しかし、2016年以降は一部エリアで下げ止まりの兆しが見え始め、2019年には中心市街地を中心に地価の反転傾向が明確になりました。2025年現在、浜松市全体の平均地価は約88,700円/㎡(坪単価約293,200円)と、10年間で約15%の上昇を記録しています。特に中央区や浜松駅周辺では、再開発や交通利便性の高さを背景に、前年比1%前後の安定した上昇が続いています。
地価の回復は全国的にも共通する傾向ですが、浜松の場合は、都市としてのスケールや産業基盤の強さ、東西を結ぶ交通の要所としての役割が地価の下支え要因となっています。また、国道1号線や新幹線、天竜川以西の住宅整備なども評価され、都市計画の進展が今後の地価形成に影響を与えると見られています。
今後の見通しとしては、人口減少が続く日本の中にあっても、交通・生活の利便性が高いエリアを中心に、浜松市の地価は緩やかな上昇基調を維持する可能性が高いとされています。一方、郊外や過疎化が進む地域では、引き続き横ばいか微減の傾向が続く見込みです。地価の二極化が進む中、地域ごとの特性を見極めた土地選びが求められる時代となってきているようです。

浜松市中央区の土地価格
浜松市中央区は、浜松市内でも特に地価の高いエリアが集中しており、駅近くの再開発エリアから高級住宅街まで幅広い価格帯が見られます。
まず、再開発が進む鍛冶町や砂山町周辺の商業地では、2024年の公示地価で1㎡あたり約637,000円(坪単価約2,106,000円)を記録し、市内最高水準となっています。住宅地においても、曳馬や小豆餅、幸町などのエリアでは、坪単価がここ数年で約25万円台から30万円近くまで上昇した例もあります。特に、曳馬3丁目では、2025年の取引事例で1㎡あたり約75,400円(坪単価約249,000円)と、前年から約0.8%上昇しています。
高級住宅地として知られる広沢では、2021年に210㎡(約63.5坪)の土地が3,200万円で取引され、坪単価は約50.4万円を記録しています。また、2022年には300㎡(約90.75坪)の土地が3,800万円で取引され、坪単価は約42万円となっています。さらに、2025年の公示地価によると、広沢2丁目の住宅地では、坪単価約48.6万円を記録しています。
佐鳴台1丁目では、208㎡(約62.9坪)の土地が2,547万円で取引され、坪単価は約40.5万円となっています。同じく佐鳴台の別取引では、225.48㎡(約68.2坪)の区画が2,980万円で取引され、坪単価約43.7万円を記録しました。
蜆塚1丁目では、取引事例24件から算出した坪単価相場は約39.8万円/坪(約12.1万円/㎡)で、駅からの距離があるものの、堅調に推移しています。
このように、浜松市中央区では、エリアによって地価に大きな差があるものの、全体としては上昇傾向にあります。特に、交通の利便性が高く、再開発が進むエリアや高級住宅街では、今後も地価の上昇が期待されます。

中央区で平屋を建てるには?土地の広さと費用相場
浜松市中央区で平屋住宅を建てる際には、まず適切な土地の広さを確保することが重要です。平屋は生活動線のしやすさや将来的なバリアフリー性の観点から近年人気がありますが、2階建てに比べて建物面積と同等かそれ以上の敷地面積が必要になります。たとえば、延床面積30坪の平屋を建てる場合には、建物本体に加え、駐車スペースや最小限の庭スペースも考慮して、土地は50坪程度必要となります。
中央区の住宅地では、場所によって土地価格に大きな開きがありますが、曳馬や幸、船越といった比較的手頃なエリアでは坪単価30万円前後が目安で、50坪の土地で1,500万円程度の取得が可能です。一方、高級住宅地である広沢や佐鳴台、蜆塚といったエリアでは坪単価40万〜50万円程度で推移しており、同じ50坪でも2,000万〜2,500万円を超える場合も珍しくありません。
建物費用については、浜松市内の注文住宅の平均坪単価が約70〜100万円とされており、30坪の平屋なら建築費は2,100〜3,000万円前後が目安。外構や諸費用を含めた場合、土地と建物を合わせた総予算は4,000万〜6,000万円程度が一般的な見積もりとなります。
中央区で平屋を建てる場合は、土地の選定段階で用途地域や建ぺい率、容積率などの法的制限にも留意する必要があります。希望のエリアと予算のバランスを見ながら、将来的な資産価値や住環境も含めて慎重に検討することが大切です。

平屋・狭小住宅を建てる前に知っておきたい注意点
平屋や狭小住宅は、コンパクトで効率的な住まいとして近年人気を集めています。バリアフリーで移動しやすく、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できる点が魅力ですが、計画段階で押さえておくべき注意点も少なくありません。
まず、平屋を建てる場合、建物の床面積と同等以上の敷地面積が必要です。例えば30坪の平屋を建てるには、前述の通り50坪程度の土地が必要となりますが、建ぺい率や容積率の制限により、敷地の条件によっては希望通りの間取りが実現できないこともあります。また、土地の面積が広くなる分、土地代がかさむ点も事前に検討すべき重要な要素です。
狭小住宅は、限られた土地を活用して都市部でもマイホームを実現できる手段ですが、間取りに制限があり、生活導線や収納スペースの確保に工夫が求められます。スキップフロアやロフト、縦の空間活用などで開放感を演出する手法が取られますが、構造が複雑になるため、設計・施工費用が割高になるケースもあります。また、住宅の耐震性や断熱性も設計の段階から十分に配慮しなければ、快適性を損なう恐れがあります。
平屋・狭小住宅共通の課題としては、採光と通風の確保が挙げられます。周囲に建物が密集している場合、南向きでも日当たりが悪くなることがあります。中庭や天窓、ハイサイドライトの活用など、光と風を取り込む工夫が不可欠です。
さらに、外構や隣地とのプライバシー確保も重要です。特に平屋は地面と近く、外からの視線が入りやすいため、フェンスや植栽を活用した視線対策が求められます。加えて、音の問題にも注意が必要で、隣家との距離が近い場合には、生活音やプライバシーに配慮した間取り設計が必要になります。
最後に、将来のライフスタイルの変化に備えた設計も忘れてはいけません。子どもが成長した後の使い方や、老後の住みやすさまで見据えた柔軟性のあるプランニングが重要です。狭小住宅では特に、リフォームの自由度を高めておくことで、長く快適に暮らせる住まいとなります。
このように、平屋や狭小住宅は魅力的な選択肢である一方、計画段階で多くの検討事項があります。経験豊富な建築士や施工会社と密に相談しながら、自分たちのライフスタイルや地域の環境に合った家づくりを目指すことが、満足度の高い住まいへの第一歩となるでしょう。

浜松市の土地価格はエリアによって上昇傾向が見られ、特に中央区では需要が高まっています。地価の推移や土地選びのポイントを踏まえた上で、平屋や狭小住宅を検討することは、将来を見据えた賢い選択と言えるでしょう。事前の十分な情報収集と専門家との連携が、満足度の高い住まいづくりへの第一歩です。
花みずき工房でも土地探しから理想の注文住宅の実現を丁寧にサポートさせて頂きます。浜松市で家づくりをお考えの方は、どうぞお気軽にご相談ください。