制振装置「ガルコン」とは?
あらゆる角度の揺れを
長期にわたり吸収する
制振装置「ガルコン」


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制振装置とは壁や柱などの構造部分に設置して、地震の振動エネルギーを吸収することで建物の揺れを減衰させる装置で、制震ダンパーとも呼ばれます。制震部材の種類は「ゴム式」「金属式」「油圧式」「粘弾性体式」などがありますが、その形状や取り付け方にもいくつかの種類があります。次にその代表的な種類をご紹介します。
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制震部材の詳しい説明はこちら >>
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方杖(柱と横架材の取り合い部分に斜めに入れられる補強部材)のように取り付けるタイプの制震装置です。40坪あたりの設置個数は12~14個と壁タイプに比べて多く、構造用面材や筋交いと併用できるため、間取りや設計の自由度が高くなります。
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筋交いを取り付ける際の金物に、地震の揺れを吸収する機能を持たせた制振装置です。設置個数は筋交いの数によって異なりますが、取り付ける数が多いほど揺れの減衰率も高くなります。

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花みずき工房では地元浜松で生まれた制振装置ガルコンを採用しています。ガルコンは粘弾性体式、仕口タイプの制振装置です。特殊粘弾性体が振動エネルギーを吸収し、地震の揺れを50%減衰します。設置個数の目安は30坪~45坪の建物で16個~24個と多いため、地震力が制震装置に効率的に伝わり易く、建物の様々な箇所であらゆる方向から地震の揺れを吸収することができる制振装置です。
取り付ける場所で効果は大きく変わってくるため、家の重心・剛心を重視しながら、一棟一棟の建物図面に合わせて取付箇所を決めていきます。
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基本的な取付箇所は1階の仕口部分で、揺れた時に負荷がかかりやすい、耐力壁以外の開口部のある壁などが中心です。大きな制振装置の取り付けが難しいドアや窓の上にも取り付けが可能なため、発災時の避難経路の確保にも繋がります。さらに第三者機関にて行われた簡易振動解析シュミレーションの解析書を受け取れる点も安心です。
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ガルコンの震動実験の様子動画

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二枚の特殊粘弾性体を、自動車にも使われる高張力鋼板(ハイテン材)と呼ばれる金属板に熱圧着させて挟み込んだつくりです。二枚の特殊粘弾性体がそれぞれ別方向に動き、粘弾性体の吸収力と強力なバネと金属板の復元力が働いて、振動エネルギーが吸収されます。
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また、磨き丸棒(特殊バネ)のストッパー機能が柱・梁のほぞ抜けを防止します。ほぞ抜けとは柱や梁が、接合部分から外れてしまうことで、地震による木造住宅の倒壊の原因のうち、7割以上を占めると言われています。
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特殊粘弾性体は-15℃から80℃までの温度変化による変質がなく、60年以上メンテナンスフリーの高耐久な素材です。単純明快な構造でオイルレスのため、(油圧系ダンパーで起こりうるオイル漏れやメンテナンスの心配もありません。

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コンパクトで設置が容易なガルコンは、新築だけでなく、リフォームや耐震改修工事でも取り付けが可能です。外観を損なうことなく省スペースでの設置が可能なため、古民家や大規模木造住宅はもちろん、神社仏閣への制振補強にも最適です。
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参考:イケヤコーポレーション株式会社 HP
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実際に、国指定史跡 小島陣屋跡や、静岡県指定文化財 吉田松陰寓寄処など、様々な文化遺産の制振補強にガルコンが採用されています。メイドインジャパンの高い品質は、日本建築防災協会をはじめとした様々な公共機関での安全性、有用性が確認・認証されています。
