制振装置とは壁や柱などの構造部分に設置して、地震の振動エネルギーを吸収することで建物の揺れを減衰させる装置で、制震ダンパーとも呼ばれます。制震部材の種類は「ゴム式」「金属式」「油圧式」「粘弾性体式」などがありますが、その形状や取り付け方にもいくつかの種類があります。次にその代表的な種類をご紹介します。
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[ 壁タイプ ]
壁の中に取り付ける比較的大型の制震装置で、設置数は40坪あたり4~8個程度のものが主流です。メリットとしては施工本数が少なくて済むことですが、大型のため設置には2・3人の人手が必要になることがあります。
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[ 方杖タイプ ]
方杖(柱と横架材の取り合い部分に斜めに入れられる補強部材)のように取り付けるタイプの制震装置です。40坪あたりの設置個数は12~14個と壁タイプに比べて多く、構造用面材や筋交いと併用できるため、間取りや設計の自由度が高くなります。
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[ 仕口タイプ ]
仕口(柱と横架材の交点)の直角部分に取り付ける比較的小さな制震装置です。仕口部分を補強するように取り付けるため、建物自体の強度も上がります。40坪当たりの設置個数は16〜30個程度と多く、建物の様々な箇所で地震の揺れを吸収することができます。
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[ 筋交金物タイプ ]
筋交いを取り付ける際の金物に、地震の揺れを吸収する機能を持たせた制振装置です。設置個数は筋交いの数によって異なりますが、取り付ける数が多いほど揺れの減衰率も高くなります。