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住宅ローンの基礎知識:固定金利と変動金利

あなたに合った返済プランで
無理のない家づくりを

住宅を購入する際には、多くの方が住宅ローンを利用します。しかし、住宅ローンを選ぶにあたって、どのような点に注意すれば良いのでしょうか。特に、固定金利と変動金利の選択は、将来の返済計画に大きな影響を与えます。このコラムでは、それぞれの金利タイプの基本的な違いから、メリット・デメリット、そしてどのように自分に合ったローンを選べば良いのかについて、専門家の視点から解説していきます。住宅ローンを上手に活用して、無理のない家づくりを目指しましょう。

住宅ローンの基礎知識


住宅ローンを選ぶ際には、その基礎を理解することが大切です。住宅ローンには借入先や金利タイプなどによってさまざまな種類があるため、「どの金融機関でどんな種類の住宅ローンを選べばいいの?」と混乱してしまう人も少なくありません。ここからは、「どこから借りるか」、「どのような種類のローンがあるか」の2つのポイントから解説をしていきます。

どこから借りるか

住宅ローンを活用する際、主な借り入れ先は銀行・信用金庫などの金融機関、ノンバンク・モーゲージバンク、JA(農業共同組合)などがあげられます。中でも銀行にはいくつかの種類があり、メガバンク、地方銀行、ネット銀行の3つに分別されます。ここでは、それぞれの借入先の特徴についてご紹介いたします。


[ 金融機関メガバンク ]

三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の三行を指すメガバンクは、資金力が充実しているため、金利が比較的安く設定されています。また、倒産リスクが比較的低いため、長期にわたる取引においても安心できます。審査スピードは迅速であり、提携ローンの場合は23営業日が目安です。ただ、審査金利などが高く設定されていることが多く、借入額を伸ばしにくいというデメリットがあります。

[ 地方銀行・信用金庫 ]

地方銀行や信用金庫の住宅ローンは、メガバンクやネット銀行と比較して金利がやや高めに設定されていますが、地域密着型であるため、利用者の具体的な状況に応じた柔軟な対応が可能です。比較的難しい案件でも、別の角度からの申し込みを提案してくれたりなど地域密着の強さと小回りの効く柔軟性により、審査が比較的通りやすいとされています。

[ ネット銀行 ]

ネット銀行の住宅ローンは実店舗を持たないため、低コストで運営され、その結果、低金利のローンを提供できます。全ての手続きがオンラインで完結するため、忙しい方でも手軽に申し込みが可能です。しかし、対面での相談ができないため、審査に柔軟性が欠ける点がデメリットです。

[ ノンバンク・モーゲージバンク ]

ノンバンクは預貯金業務を行わず、融資業務に特化した企業の総称です。信販会社や消費者金融などが該当し、特に住宅ローン専門の場合はモーゲージバンクとも呼ばれます。ノンバンクの融資は審査基準が柔軟で、審査スピードも速い点がメリットとして挙げられます。ただし、金利は金融機関よりも高めに設定されています。


[ JA ]

地域の農業協同組合(JA:Japan Agricultural Co-operatives)を通じて借り入れる方法で、農業者や組合員を対象としています。農業者以外の方でも、出資金を預けて組合に加入すれば、利用することが可能です。金利優遇の条件が設けられている点や、年収のハードルが比較的低い点がメリットとして挙げられます。

これらの借入先の種類を理解することで、自分のライフプランやリスク許容度に合った適切なローンを選ぶことができます。次では「どのように借りるか」、住宅ローンの種類について、詳しく解説していきます。

どのような住宅ローンの種類があるか


住宅ローンは主に「固定金利型」、「変動金利型」、「一定期間固定金利型」の、3種類があります。


参考:フラット35

固定金利型は契約時の金利がローン期間全体を通じて一定であり、返済計画が立てやすいです。変動金利型は市場の金利に応じてローンの利率が変動するため、金利が低い時には返済額が少なくなる可能性がありますが、金利が上昇すると返済額も増加します。また、一定期間固定金利型とは、一定期間固定金利後に変動金利が適用されます。それぞれの特徴を理解し、自分の返済能力やリスク許容度に合った選択をすることが重要です。次では、固定金利と変動金利について解説します。

固定金利型と一定期間固定金利の仕組み

固定金利とは、住宅ローンを組む際に、借入時の金利が返済開始から固定期間終了まで変わらない仕組みです。ローンを組んだ時点の金利が返済期間全体を通して固定されるため、返済開始後の家計プランの見通しが立てやすいです。一定期間固定金利は、借入時から一定の期間(例えば2年、3年、5年、10年、20年など)の金利が固定され、その期間が終了すると金利が変動金利に切り替わる仕組みです。


参考:ARUHI 

代表的な固定金利の住宅ローンとしては、全国300以上の金融機関が住宅金融支援機構と提携して扱う「フラット35」が挙げられます。
固定金利の金利は、長期金利をもとに決定されます。長期金利とは、取引の期間が1年以上の資金を貸し出す際の金利で、代表的なのは10年物の国債利回りが挙げられます。国債の利回りは、投資家たちが行う国債の取引によって形成されます。投資家は将来の市場動向を予測して取引を実行するため、利回りは現在の市場状況だけでなく、将来の見通しに基づいて決定されます。このため固定金利も、将来の経済予測に影響を受けます。

固定金利(一定期間固定金利)のメリットとデメリット

固定金利を選択する最大のメリットは、金利がローン期間中一定であるため、返済額が変わらない点にあります。これにより、将来の金利変動のリスクを気にすることなく、安定した返済計画を立てることが可能です。特に、金利の上昇が続く市場環境では、金利が上昇した場合でも、当初の金利が変更されない固定金利の選択が賢明な選択となり得ます。また、返済額が一定であるため、家計管理がしやすく、長期的な資金計画を立てやすいという利点もあります。

一方で、固定金利のデメリットとしては、変動金利に比べて金利が高めに設定される傾向にあることが挙げられます。これは、金融機関が長期間にわたる金利変動のリスクを負う代わりに、借り手に長期的な安定性を提供するためです。また、固定期間中は金利の見直しができないため、市場金利が低下した場合にはその恩恵を受けられないという点もデメリットと言えます。つまり、将来金利が下がっても、既に高めの金利で固定してしまっているため、機会損失が生じる可能性があります。
このように、固定金利は金利変動のリスクを避けたい方や、安定した返済計画を重視する方には適していますが、市場の金利動向によっては、変動金利の方が有利になる場合もあります。
次は、変動金利と、そのメリット・デメリットについて解説していきます。

変動金利の仕組み

変動金利は、一般的には、半年ごとに市場の金利動向に応じて適用金利が調整される仕組みです。このため、金利が低下すれば返済額も減少し、逆に金利が上昇すると返済額も増加します。


参考:ARUHI 

固定金利型に比べて初期の金利が低めに設定されることが多いですが、経済状況による金利の変動リスクを受け入れる必要があります。変動金利の金利は、短期プライムレートをもとに決定されます。短期プライムレートは、銀行が信用状態の良い企業に対して提供する、1年未満の貸出期間の最優遇金利です。短期プライムレートは日本銀行の金融政策によって影響されるため、変動金利も金融政策の影響を受けやすいとされます。

変動金利のメリットとデメリット

変動金利の最大のメリットは、固定金利に比べて初期の金利が低めに設定されることです。これにより、特に金利が低い時期には、返済額を抑えることが可能になり、結果的に返済総額が少なくなる可能性があります。また、市場金利が下落した場合、その恩恵を受けることができ、返済額のさらなる軽減が期待できます。このように、変動金利は、金利が低い時期に住宅ローンを組む場合に大きなメリットを提供します。また、一部の金融機関では金利が大きく上昇しても、返済額に対する金利は変動しない特約のついた変動金利もあり、急激な支出の増加を防ぐことができます。
一方で、変動金利のデメリットとしては、金利の変動による返済額の不確実性が挙げられます。金利が上昇すると、返済額も増加し、予定していた家計計画に影響を及ぼす可能性があります。特に、長期にわたる住宅ローンでは、金利の上昇リスクを考慮する必要があります。また、金利が上昇した場合、利息の返済額が増えることで、元金の返済が遅れ、結果的に総返済額が増加する可能性もあります。このように、変動金利は、将来の金利動向によっては、予想外の返済負担の増加につながるリスクを持っています。
変動金利を選択する際には、低金利のメリットを享受できる一方で、金利上昇時のリスクも負っていることを十分に理解し、自身のリスク許容度と将来の金利動向を慎重に考慮することが重要です。

自分に合った住宅ローンの選び方

住宅ローンを選ぶ際には、自分のライフプランやリスク許容度を考慮することが非常に重要です。金利タイプの選択はもちろんのこと、返済期間、借入額、そして金融機関の提供するサービス内容など、多角的に検討する必要があります。

[ 金利タイプの選択 ]

固定金利は返済額の予測が容易で金利上昇のリスクを避けられますが、変動金利に比べて初期の金利が高めに設定される傾向があります。一方、変動金利は低金利時には有利ですが、将来の金利上昇により返済額が増加するリスクがあります。

 

[ 返済期間の設定 ]

返済期間が長いほど月々の返済額は少なくなりますが、トータルで支払う利息額は増加します。自身の収入や将来の計画を考慮し、無理のない返済計画を立てましょう。

 

[ 借入額の決定 ]

物件や土地の価格だけでなく、外構費用や家具や家電などの諸費用や、将来的なリフォーム費用も考慮した総額を把握し、適切な借入額を決定することが大切です。過度な借入は返済負担を重くするため、慎重に検討しましょう。

 

[ 金融機関の選定 ]

金融機関によって提供されるサービスや条件が異なります。団体信用生命保険(団信)の有無や繰り上げ返済の条件、手数料など、細かなサービス内容を比較検討することが重要です。

[ 将来の見通し ]

無理のない、自身の将来の収入見通しや家族構成の変化、経済状況の変動などを考慮し、柔軟性のある住宅ローンを選択することが望ましいと言えるでしょう。

 

住宅ローンは、一生に一度の大きな買い物に伴う重要な決断の一つです。自分にとって最適な住宅ローンを選ぶためには、上記のポイントを踏まえたうえでの十分な情報収集と慎重な検討が必要になります。また、ファイナンシャルプランナーや金融機関などの専門家のアドバイスを求めることも一つの手段です。無理のない返済計画のもと、安心して住宅ローンを利用しましょう。

まとめ

住宅ローンを選ぶ際には、固定金利と変動金利の違いを理解し、自分のライフプランやリスク許容度に合わせた選択をすることが重要です。固定金利は金利変動のリスクを避けたい方、安定した返済計画を望む方に適しています。一方、変動金利は低金利の恩恵を受けたい方や、将来の金利下降を見込む方に有利な選択肢となります。
また、住宅ローンを選ぶ際には、金利だけでなく、返済期間、借入額、金融機関のサービス内容など、多角的に検討する必要があります。将来の収入見通しや家族構成の変化、経済状況の変動なども考慮に入れ、将来的に無理のない住宅ローンを組まれることが重要なポイントとなります。
この記事が、あなたの住宅ローン選びに役立つ情報を提供できたなら幸いです。もし、さらに詳しい情報や個別の相談が必要な場合は、専門家に相談することをお勧めします。花みずき工房では、これからの住まいづくりを考える皆さまを対象に、住宅ローンやライフプランのご相談を承っています。住宅ローンを選ぶうえでの知識を深めるとともに、理想の住まいの実現に向けて、ご家族やパートナーと一緒に、ぜひ足をお運びください。

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Yukina Yamaguchi

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