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【2023年最新】断熱材の種類とメリット / デメリット

ぴったりの断熱材で
夏は涼しく、冬は暖かく

暑い夏でも、寒い冬でも、お家の中はいつでも心地よく過ごしたいものですよね。そんな快適な空間作りに欠かせないのが、ズバリ「断熱材」です。しかし、「断熱材にはどんな種類があるの?」「なにがどう違うの?」といった疑問もあるかと思います。今回の記事では、2023年最新の断熱材の情報をまとめてご紹介します。最新のものから定番まで、それぞれの特性やメリット、デメリットをわかりやすくお伝えします。家の形やお住まいの地域に合わせて、最適な断熱材を見つける手助けになれば嬉しいです。初めての家づくりでも、断熱材についての知識が少なくても大丈夫。この記事を読めば、それぞれの断熱材の特徴・違いについてバッチリ分かるはずです。ぜひ、この機会に断熱材について学んでみてはいかがですか?

断熱材の種類とその特性

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断熱材は、種類によって特徴や特性が異なります。新居となる地域の気候や家の大きさ、自分たちの予算に合わせた、ピッタリの断熱材を見つけましょう。
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参照 : マグ・イゾベール株式会社
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グラスウール
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グラスウールは、ガラスを高温で融解させてミクロンレベルの細かい繊維に変え、それを綿状にしたもので、断熱性や不燃性、吸音性などに優れた素材として、さまざまな分野で活用されています。
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グラスウールのメリット
1.高い保温性
グラスウールの繊維構造が空気の動きを抑えるため、夏は涼しく、冬は暖かい住まいを実現
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2.高温に強い
ガラス素材のため燃えにくく、長時間の高温でも容易に溶けたり歪んだりすることがない
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3.コストパフォーマンス
高い断熱性を持ちながら、比較的リーズナブルな価格帯
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グラスウールのデメリット
1.湿気に弱い
湿気が多い場所では性能が低下しやすいため、適切な通気性が必要
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2.施工の難易度が高い
グラスウールは高い断熱性能をもっているが、施工時に隙間が出来た場合、その効果を発揮しにくくなる場合がある

参照:ロックウール工業会
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ロックウール
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次にご紹介するのはロックウール。岩石を原料としているため、グラスウールよりも密度があります。そのため、防火性や吸音性に優れています。


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ロックウールのメリット
1.優れた防火性
火を通しにくい性質があり、安全性が高まる
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2.高い吸音性
外部の騒音をしっかりとカット。静かな生活空間を実現
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3.耐久性
湿気や変温に強く、長期間の使用にも適している

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ロックウールのデメリット
1.価格が高い
同じく鉱物を原料とする人工的な繊維系断熱材「グラスウール」よりも高価格になる
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2.重量
グラスウールに比べて重く、脱落しやすいため、施工時には注意が必要

参照:株式会社高本コーポレーション
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ビーズ法ポリスチレンフォーム
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ビーズ法ポリスチレンフォームは、ビーズ状のポリスチレン樹脂を発泡させた物で、発泡スチロールと同じ素材の断熱材です。.

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ビーズ法ポリスチレンフォームのメリット
1.耐水性に優れ、加工がしやすい
住宅の構造やサイズに合わせて断熱材を隙間なく敷き詰めることが出来る。これにより、断熱性能や気密性を高めることが出来る
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2.結露の防止
軽量で加工しやすく、水を吸わないため、結露の防止にも役立つ
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3.燃えにくく、燃えた際の有害物質も少ない
難燃剤が添加されているため、ほかの発泡プラスチック系の断熱材に比較して燃えにくく、燃焼した際の生成物に含まれる有毒物質も極めて低くなっている

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ビーズ法ポリスチレンフォームのデメリット
1.価格が高い
無機繊維系断熱材と比較すると価格は割高

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2. 繊維系の断熱材に比べれば燃えやすい
発泡プラスチック系の中でも燃えにくい部類ではあるものの、90度前後の熱には弱い

参照:株式会社カネカ
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押出法ポリスチレンフォーム
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ビーズ法ポリスチレンフォーム同様、発泡プラスチック系の断熱材です。2つの違いは製造方法が異なることで、原料はほぼ同じです。
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押出法ポリスチレンフォームのメリット
1. 高い断熱性
熱伝導率が低く、断熱性能が高い
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2.高い耐水性
繊維系の断熱材と比較して、高い耐水性を持っているため、劣化や腐食になる恐れが少ない
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押出法ポリスチレンフォームのデメリット

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押出法ポリスチレンフォームのデメリットはビーズ法ポリスチレンフォームのデメリットと同様です。

1.湿気に弱い
繊維系の断熱材と比較すると価格は割高
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2.繊維系の断熱材に比べれば燃えやすい
発泡プラスチック系の中でも燃えにくい部類ではあるものの、90度前後の熱には弱い

参照:BASF INOAC ポリウレタン株式会社
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硬質ウレタンフォーム
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硬質ウレタンフォームはポリウレタン樹脂に発泡剤を加えたもので、気泡の中の小さなガスが熱の伝導を抑えるため、熱伝導率が低く、高い断熱性を持っています。
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硬質ウレタンフォームのメリット
1.高い断熱性
熱伝導率が低く、断熱性能が高い
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2.加工がしやすい
住宅の構造やサイズに合わせて断熱材を隙間なく敷き詰めることが出来、断熱性能や気密性を高める
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3.木材より腐りにくい
木材と同じ程度の強度がある。さらに、虫が湧かず腐りにくい
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硬質ウレタンフォームのデメリット
1.耐火性が低い
火には弱いため、火気の近くでの使用には注意が必要
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2.施工に特殊な技術が必要
現場で数十倍に発泡する断熱層は屋根や壁に隙間なく充填され、自己粘着性のある泡が構造躯体にピッタリと密着し、住宅の気密性能を大幅に向上させます。しかし現場発泡ウレタンフォームの場合、施工に特定の技術が求められるため、検討している住宅会社に専門の技術者がいるか確認する必要があります。

参照:旭化成建材株式会社
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フェノールフォーム
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フェノールフォームは、 フェノール樹脂に発泡剤や硬化剤を加えたもので、熱を帯びると硬化する特徴があるため、非常に燃えにくいという特徴があります。


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フェノールフォームのメリット
1. 高い断熱性
熱伝導率が0.0190.036W/(mK)と圧倒的に低く、高い断熱性を持っている
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2.耐火性
火に強いので、火災時の安全性が高まる
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3.湿気に強い
湿気の影響を受けにくく、常に一定の断熱性能を発揮する
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フェノールフォームのデメリット
1.価格が高い
高い性能を持つため、他の断熱材に比べて価格がかなり高い
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2.風雨や紫外線に弱い

参照:株式会社 アイティエヌジャパン
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羊毛(ウールブレス)
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羊から取れる天然の繊維を使用した断熱材。湿度を調整する効果も持っています。

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羊毛(ウールブレス)のメリット
1.調湿効果
湿度が高い時に水分を吸収し、乾燥しているときに放出する性質がある
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2.天然素材
肌に優しく、アレルギーの心配が少ない
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3.環境に優しい
再生可能な資源であり、リサイクルも可能
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羊毛(ウールブレス)のデメリット
1.価格が高い
天然素材のため、他の断熱材に比べてコストが高い場合がある
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2.施工ができる業者が少ない
まだ断熱材の中では新しい素材であるため、施工ができる業者を探すのに手間がかかる

参照:ポルハコルク・ジャパン 日本事務局
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炭化コルク
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コルクを高温で焼き、炭化させた断熱材で、天然で環境負荷が少ないのが特徴です。.

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炭化コルクのメリット
1.高い耐久性
変形や劣化が少ない
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2.環境に優しい
ワインの栓などの製造で出たコルクの端材を利用するため、環境に優しい
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3.防虫効果
自然由来の防虫効果があるコルク樫を原料とするため、ダニを寄せ付けない

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炭化コルクのデメリット
1.価格が高い
高い性能と環境負荷の低さから、価格が高くなることがある
断熱材選びのポイント
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ここまで、代表的な断熱材の種類をいくつか紹介してきました。しかし、たくさんの種類があって悩んでしまうという方もいらっしゃるかと思います。そんな方は、次のようなポイントを押さえながら選ぶと良いでしょう。


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「熱伝導率」とは?

熱伝導率は断熱性の指標で、単位面積、単位厚さあたりの温度差が1℃のときに材料が伝える熱量を表します。値が小さいほど断熱性が高くなり、冷暖房の効率を上げることができます。低い熱伝導率の素材を選ぶことで、家庭のエネルギーコストを削減し、快適な室内環境を維持することが可能です。

これまで紹介してきたそれぞれの断熱材の熱伝導率は以下です。
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体に優しい断熱材
体にやさしい断熱材を選ぶことは、家族の健康を守るためにも欠かせないポイントです。特にアレルギーや皮膚への刺激に敏感な方には、天然素材の断熱材や化学物質の少ないものを選ぶことが大切です。また、現状特に気になることがない人でも、化学物質を多く含んだ建材に囲まれて生活するうちに、シックハウス症候群や化学物質化敏捷などの病気に罹ってしまう可能性もあります。そういったことを防ぐために、ここでは自然素材を使用した断熱材や化学物質の少ない断熱材など、体に優しい断熱材を紹介していきます。
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自然素材の断熱材

自然の素材から作られた断熱材は、化学物質の使用を抑えることができ、アレルギー体質の方にもおすすめです。
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・羊毛(ウールブレス)

羊毛は、素材そのものが通気性に優れており、湿度調整が可能です。そのため、家の中の空気を清潔に保つ効果も期待できます。加えて、触感が良いため、施工時にも優れた作業性があります。

・炭化コルク

炭化コルクは、自然な素材であるため人体に無害です。防火性にも優れ、耐久性があります。取り扱いやすく、リサイクルも可能なので、環境にも優しい選択と言えるでしょう。

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化学物質の少ない断熱材

化学物質を極力使用していない断熱材も体にやさしい選択肢となります。
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・硬質ウレタンフォーム

硬質ウレタンフォームは、発泡剤に水を使用しているタイプがあります。これにより、伝統的な発泡剤を使ったものに比べ、体に有害な成分の発生を抑えられます。熱伝導率も低く、高い断熱性能を発揮します。

特に「花みずき工房」で採用しているフォームライトSL(マシュマロ断熱)は、形成される中身の99%が空気の泡になっているため、体に有害な成分の発生を大きく抑えることができます。
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参考コラム:マシュマロ断熱とは >>
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・フェノールフォーム

フェノールフォームもまた、有害な成分を減らした製造方法が取られています。さらに耐火性能にも優れているため、長期的に安心して使用することができます。「花みずき工房」では、床に「ネオマフォーム」というトップクラスの断熱性能を誇る旭化成製のフェノールフォームを採用しています。

断熱材メーカーと製品のご紹介
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ここまで、断熱材の種類や断熱材選びのポイントについて紹介させていただきました。では、具体的にどんな製品があるのでしょうか?断熱材ごとに代表的なメーカー・製品を紹介いたします。製品それぞれに特性がありますので、ぜひ「我が家に合っている断熱材はどれか」考えながら読んでみてください。
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参照:旭ファイバーグラス株式会社
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グラスウール:『アクリア』シリーズ 旭ファイバーグラス
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.『アクリア』シリーズは、軽量であるため施工性が高く、取り扱いやすいのが特徴です。湿度に強い性質から、日本の多湿な気候にも適しており、人々の快適な生活を支えています。さらに、音響効果の面でも優れていて、外部の騒音を低減させる効果があります。このため、都市部の騒がしい環境でも静かな空間を提供することが可能です。多くの住宅で使用される理由は、このような多岐にわたる機能からで、『アクリア』シリーズは現代の住まいづくりにおける必要不可欠な素材となっています。


参照:JFEロックファイバー株式会社
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ロックウール:『アムマット』シリーズ – JFEロックファイバー
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『アムマット』シリーズは、特に耐火性に非常に優れているため、火災のリスクを最小限に抑えたいと考える方におすすめの製品です。このシリーズの保温効果も高く、寒冷地でも快適に過ごせる住空間を実現します。さらに、『アムマット』はリサイクルが可能で耐久年数も長いという特性から、一度設置すると長い間高いパフォーマンスを発揮します。耐久性が長いため、メンテナンスの手間やコストを削減することも可能で経済的にも非常に優れています。このような特徴から、当社では多くのお客様に安心してご提案しています。

 


参照:株式会社高本コーポレーション
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ビーズ法ポリスチレンフォーム:『EFR40/EFR50』 – 高本コーポレーション
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EFR40EFR50』シリーズは、ビーズ法ポリスチレンフォームの中でも特に注目の製品です。この素材は軽量で、耐水性に優れるため、湿気が多い場所でも安心して使用できます。また、構造上の自由度が高いので、お客様の個別の要望にもしっかりと応えることが可能です。リーズナブルな価格設定も、多くの方々に選ばれる理由のひとつです。


参照:株式会社JSP
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押出法ポリスチレンフォーム:『ミラフォーム』 – JSP
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『ミラフォーム』は、押出法で製造されることにより、密度が高く強度と耐久性に優れる素材です。特に水に強い性質があり、浜松市の湿度が高い季節でも劣化しにくいのが特徴です。湿気が多い場所での使用に適しているため、バスルームや台所など、水回りの部分においても安心してご利用いただけます。さらに、『ミラフォーム』は、その強度から構造的な自由度も高く、多岐にわたる設計に応じて活用することができます。耐久性とデザイン性を両立させたいお客様に、特にお勧めしたい断熱材です。


参照:BASF INOAC ポリウレタン株式会社
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硬質ウレタンフォーム:『フォームライトSL-50α』 – ポリウレタン株式会社
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『フォームライトSL-50α』は、断熱性が高く、また、形状の自由度が高いため、さまざまな箇所への取り付けが可能です。また、体にやさしい素材であり、衝撃を吸収する力もあるため安全性も高く、特に子供部屋や高齢者の向け住宅での使用が増えています。加えて防音効果もあるため、住まいの中でのプライバシーを保つ役割も果たします。長寿命でメンテナンスも容易なため、コストパフォーマンスも高く、多くのお客様に喜ばれている製品です。


参照:旭化成建材株式会社
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フェノールフォーム:『ネオマフォーム』 – 旭化成建材
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『ネオマフォーム』は、フェノールフォーム特有の高い断熱性能と耐火性が魅力で、特に長期間にわたって劣化しにくいため、耐久性を求める方にお勧めです。家の中で一番熱が失われやすい屋根部分など、しっかりと断熱をしたい場所に使うと、夏の暑さも冬の寒さも感じにくく、また、耐火性が高いので万一の火災にも安心です。


参照:株式会社コスモプロジェクト
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羊毛(ウールブレス):『サーモウール』 – コスモプロジェクト
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『サーモウール』は、天然の羊毛を使用しているため、通気性がよく、夏は涼しく冬は暖かいという一年を通して快適な住まいを演出します。特に体に優しいので、小さなお子様がいるご家庭や、アレルギーをお持ちの方にもおすすめできる素材です。また、羊毛には湿度調整機能もあり、室内の湿度を適切に保ちます。これにより、カビの発生を抑える効果も期待できるため、健康を考える方にぴったりです。


参照:東亜コルク株式会社
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炭化コルク:『コルダン』 – 東亜コルク
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『コルダン』は、天然素材である炭化コルクを使用した、環境に優しい断熱材です。コルクは再生可能なリソースであり森林伐採を必要としないため、自然にやさしい素材とされています。また、耐久性と防水性にも優れており、長期間にわたり性能を保つことができます。さらに、優れた断熱効果により、エネルギー消費を抑えることも可能です。

まとめ
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【図解】断熱材の種類と特徴
これまで紹介させていただいた断熱材の種類・それぞれの特徴について以下にまとめましたので、ぜひご参考ください。

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「花みずき工房」の断熱についての考え

私たち「花みずき工房」では、「高気密高断熱」はもちろんのこと、空気にも配慮した家づくりを大切にし、自然由来の素材を積極的に活用しています。例えば、お家の壁と天井には「フォームライトSL(マシュマロ断熱)」という気密性が高く、環境にも優しいウレタンフォーム断熱材を使用しています。環境負荷が小さく、短い工期で高い断熱性能を発揮するマシュマロ断熱は、快適で健康に暮らせる家づくりを目指す花みずき工房の考えとも親和性の高い断熱材です。

また、床には有害な成分を減らした製造方法で作られる断熱材「ネオマフォーム」を採用しています。ネオマフォームは、フェノールフォーム特有の高い断熱性能・耐火性、さらに長期間にわたって劣化しにくい耐久性と多くの魅力をもつ高性能な断熱材です。直接肌が触れることが多い床など、しっかりと断熱をしたい場所に使うと、夏の暑さも冬の冷たさも感じにくく、また、耐火性が高いので万一の火災にも安心です。

このように高い断熱性能のみならず、化学物質の少ない体に優しい断熱材を採用することで、シックハウス症候群などといった健康面への悪影響を軽減させ、さらに自然素材の持つ断熱効果や調湿効果で室内を快適な状態に維持させることができます。

実際に見てみたい、体感してみたいという方は、構造見学会を定期的に開催していますので、ぜひお気軽にイベントにご参加ください。

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