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こんな事にも役立つ建築模型

立体的なイメージ確認に加え、
什器の搬入計画にも活用

建築模型は平面的な図面やスケッチとくらべて、立体的に間取りやデザインの確認ができる事が大きなメリットですが、今回はその特性を活かして通常とは少し異なる用途でも模型を活用いたしました。

貸店舗でパン屋さんを営業されていたお客様から、「ご自宅の一角に自分達のお店を持ちたい」というご相談を頂きました。せっかく作るのだから現状のお店よりも使い勝手を良くしたいけれど、限られた空間に売り場と厨房をおさめなくてはなりませんし、既存の店舗で使っていたパンを焼くのに必要な全ての什器を運び入れなければなりません。そこで活躍したのがこの建築模型でした。

限られた空間に、全ての什器を動線に沿って配置

 

なるべく大きなスペースを確保したかったのですが、建築確認の申請上、既存のガレージスペースに10㎡未満の増築をして店舗を設計することになりました。

設計に際しては、既存の店舗に何度も足を運んでご主人にパンを作る際の動線を細かく伺うと共に、オーブン、冷蔵庫、ミキサー等の必要な什器全てを正確なサイズに縮小した模型を作って、理想的な動線に沿って配置していきました。

模型で検証したことで得られた「お客さまとの共有」

 

例えばオーブンは特に場所をとるのですが、さらに作業について伺っていくとオーブンから取り出した天板をどこに置くか、フランスパンは天板が長いので取り出すときの後ろ側のスペースまで考慮する必要があることがわかってきました。

模型を使うことでCGでは共有しにくい細かなところまで手に取るようにお客さまと共有する事ができ、理想的なプランが完成致しました。

配置が決まった次は「搬入計画」

 

全ての厨房設備や棚の配置が決まると、今度は施工に際しての搬入計画を立てていきます。工事が進み、壁が建ち上がってくると大きな什器を厨房に運び入れる事が出来なくなってしまいますし、順番を間違えると入るはずの什器が入らなくなってしまいます。
そこでも活躍したのがこの模型でした。どの什器をどの順番でどこから搬入していけば良いか、細かくシミュレーションして工事に備える事が出来ました。

建築模型の可能性

 

こうして円滑に工事が進み完成したご自宅内の新店舗は、限られたスペースでありながらパン作りをするご主人のスムーズな動線を確保しつつ、以前の店舗で使っていたすべての什器を奇麗に収める事ができました。

最近ではコンピューター上でプランや設計を行うのが一般的ではありますが、模型を実際に手に取り合ってお客様と相互理解を深めたり、工事担当者と細かな施工段取りを打ち合せる事ができる建築模型の魅力を改めて感じました。

広報

Shiho Matsuyama

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