注文住宅の庭づくり入門:庭の種類や成功するためのポイント
庭の種類からデザインまで、
注文住宅の庭づくりガイド
ご自宅に庭があることで、日々の暮らしにさまざまなメリットをもたらしてくれます。ここでは注文住宅に庭を設けることで得られる主なメリットをご紹介させて頂きます。
住宅に庭があることで多くのメリットが得られる一方で、デメリットも存在します。庭づくりを検討する際には、これらのデメリットも考慮し、設計や維持方法を検討することが大切です。以下に、自宅に庭を持つことで考えられる主なデメリットを紹介いたします。
4. 害虫や害獣の問題
植物を育てる庭には、どうしても害虫や害獣が寄り付きやすくなります。夏場には蚊やアリ、カメムシなどの害虫が増え、庭で過ごす際の快適性が損なわれることもあります。また、地域によってはイタチやアライグマなどの野生動物が植物や芝生を荒らすこともあり、害虫や害獣の対策が必要になる場合もあります。
単に「庭」と言っても、実はその場所や用途によりさまざまな呼び方があります。施工業者とのやりとりで詳細な呼び名や専門用語が出てくることがあるため、事前に知っておくとスムーズに意思疎通ができて安心です。ここでは、主な庭の種類や特徴をご紹介いたします。
前庭 (まえにわ)
前庭とは、建物の正面にある庭のことを指します。主に建物の「顔」として、来客者が最初に目にするスペースで、建物全体の印象を左右する重要な役割を果たしています。人目に触れやすい場所のため、植栽で季節感を演出したり、ライトアップでおしゃれな雰囲気を加えることで、ワンランク上の空間を演出できます。来客が多くエントランスを大切にされたい方や、建物に風格や趣を加えたい方におすすめです。
中庭とは、建物に囲まれた内部空間に設けられた庭のことです。一般的には、建物の中央や一部の区画が吹き抜けのように開けた構造になっており、その内部に設けられた庭を「中庭」と呼びます。外部からは見えにくいプライベートな空間としての役割を持っており、家族だけの静かなリラックス空間を作りたい方や、自然を身近に感じながら生活されたい方におすすめです。
坪庭とは中庭よりもさらに小規模で、限られた小さなスペースに設けられる庭で、主に住宅や商業施設の一角に作られます。坪庭の起源は江戸時代にさかのぼり、主に狭い敷地や町屋で、少しでも自然を感じられるようにと考えられた庭のスタイルです。都市部や住宅密集地に住んでいる方、自然を取り入れたいが広い庭は不要な方におすすめです。
主庭とは、住宅や施設における主要な庭のことを指し、通常、建物と直接つながりのある広めの庭です。主庭はリビングや応接室、ダイニングなど主要な居住スペースに面して造られる場合が多く、家族が日常的に使うスペースとしても、また来客を迎えるための場所としても重要な役割を果たします。敷地面積が広い住宅であれば、庭全体の中心となるエリアで、居住空間としての機能と美的な価値が融合したスペースとなります。アウトドアを楽しみたい方、ガーデニングが好きな方、家族全員で使える外空間を作りたい方におすすめです。
裏庭とは、住宅の後ろ側に位置する庭で、通常は建物の正面や前庭と異なり、よりプライベートな空間として設けられることが多いです。裏庭は外部から見えにくい位置にあるため、家族や住民が静かにリラックスしたり、プライバシーを保ちながら過ごしたりするための空間として活用されます。人目を気にせず使用できるため、収納スペースとして物置を設置したり、家庭菜園を楽しむスペースとしても適しています。実用的な庭を求める方や、プライバシーを重視される方におすすめです。
ここまで、庭づくりのメリットやデメリット、庭の種類についてご紹介してきました。では、実際に庭を作る際、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか?ここでは、庭づくりで失敗しないためのポイントをご紹介いたします。
また、埋設するガスや水道などの配管の位置や、建物のレベルなども事前に知っておくことで、庭づくりをスムースにすすめることができます。
駐車場、駐輪場を考える
庭をつくる上で重要となるのがその仕上げ方法です。用途や目的に合った素材を選ぶことで、快適で長持ちするお庭を手にすることができます。ここでは地面の主な仕上げ方法と、その特徴をご紹介いたします。
「 芝生 」
「 コンクリート 」
地面の仕上げとともに、庭づくりに欠かせいない要素となる植栽。庭の植栽を選ぶ際には、見た目の好みだけでなく、成長する大きさや手入れのしやすさ、季節ごとの変化なども考慮しておくことが大切です。次に代表的な植栽の種類と特徴をご紹介いたします。
「 低木や草花 」
家の北面と南面を凹ませたH型の平面プラン。北側には1.5畳の坪庭、南側には6畳ほどの中庭を設け、平屋でありながら全ての居室が外と繋がるように設計されており、どの部屋からも四季折々の自然を楽しむことができます。
敷地面積 | 317.20㎡ |
建築面積 | 100.63㎡ |
庭の種類 | 前庭・坪庭・主庭 |
コンクリートはあえて使わず、芝生や石を敷き詰め、築山が奥行きと立体感を生み出した自然豊かな庭には、ウッドデッキを設けて家族が集える心地よいひとときを過ごせる空間が広がります。
敷地面積 | 295.98㎡ |
建築面積 | 86.24㎡ |
庭の種類 | 前庭・主庭 |
和モダン邸宅と上質に調和する庭
全面塗り壁で仕上げられた、上質な和モダンスタイルの邸宅。広々とした敷地の前庭には緑の美しいアオダモやモミジ等の植栽が建物と美しく調和しています。LDKの南面に広がる中庭には前庭と同様、モミジやアオダモが植えられ、室内に柔らかな木漏れ日を届けています。
敷地面積 | 355.36㎡ |
建築面積 | 148.64㎡ |
庭の種類 | 前庭・中庭 |
お庭とつながるピロティの住まいには、アプローチ空間に背の高い植栽と低木を配置し、立体感のある緑豊かな空間が広がっています。裏庭には家庭菜園や、お子様が遊具で遊べるスペースも備えられています。
敷地面積 | 495.96㎡ |
建築面積 | 134.77㎡ |
庭の種類 | 前庭・主庭・裏庭 |
今回は、家づくりと合わせて考えるべき「庭づくり」について解説いたしました。庭は家の外観や印象を大きく左右し、暮らしを豊かに彩る重要な要素です。庭の仕上げ方法や植栽の選び方には多様な選択肢があり、ご自身のライフスタイルや住まいにふさわしいものを取り入れることで、より快適で魅力的な住空間が生まれます。お住まいにふさわしい庭や、お家のデザインに調和する庭づくりについてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。