意外と多い注文住宅の打合せ
回数が増える原因と対策を解説
注文住宅の計画をスムーズに
進めるためのポイント
注文住宅の打合せは、一般的に「着工前」「建築中」「引き渡し前」の3つの段階で行われ、合計で約20回程度となるケースが多いようです。具体的には、着工前が最も多く10~15回程度、建築中に3~5回、引き渡し前に2~4回ほどの打合せが行われるのが一般的です。着工前の打合せは平均して3〜6ヶ月の間に行われるため、多い方ではほぼ毎週家づくりの打合せを行うことになり、中には打合せに疲れてしまう方もいらっしゃいます。また、1回あたりの打合せ時間は、平均で3時間程度を目安とすると良いでしょう。ただし、打合せの回数や期間は、お施主様が家づくりにどの程度こだわられるかによっても大きく変動します。例えば、こだわりの強いお施主様や特別な要望がある場合、打合せ回数は30回以上になることも珍しくありません。
それでは一体どのような内容について打合せが行われるのでしょうか?注文住宅の打合せで話し合われる内容はそのタイミングによっても異なってきますが、主に下記のような項目がございます。少しでも打合せをスムースに進めるために、事前に打合せる項目を確認しておきましょう。
間取りに関する打合せ
性能に関する打合せ
仕様に関する打合せ
設備に関する打合せ
外構に関する打合せ
前述のとおり、ただでさえ決定事項の多い家づくりですが、注文住宅の打合せ回数が多くなる原因は、家という大きな買い物を実物を見ること無く進めなくてならないという点に起因しています。そのため、お施主様と建築会社とがイメージの摺り合せを行うのに、どうしても多くの打合せが必要になってきます。つぎに、注文住宅の打合せ回数が、通常よりも増えてしまう原因を、細かくご紹介いたします。
家づくりの目的やテーマを明確にしておかないと、打合せを重ねていく中でその方向性がズレていってしまい、結果的に打合せ回数が増えてしまうという事があります。例えば、はじめはデザイン重視でプランニングを進めていたが、次第に性能の重要性に気づき、せっかく考えたデザインを一から見直す必要が出てきてしまったなど、途中で目的やテーマが変わることで打合せの回数が増えてしまうことがあります。また、曖昧な要望を住宅会社に伝えてしまうと、出てくるプランにもどこか納得がいかず、結果的に何度もプラン修正を行う必要が出てきてしまいます。目的やテーマが曖昧なままプランに入ってしまうと、住宅会社との意思疎通がうまくいかず、結果的に打合せ回数が通常よりも増えていってしまうことになります。
注文住宅では、設備や仕様の選択肢が非常に多く、すべてを細かく吟味していくと選択が難航し、住宅会社との打合せ回数も増えていく原因となります。例えば、キッチンやバスルームのメーカーや仕様を選ぶ際に、その選択肢を広げすぎてしまうと、仕様の確認や比較検討に時間がかかり、住宅会社や設備メーカーとの打合せ回数も増加していくことになります。また、オプション機能などを欲張りすぎてしまうと予算を超えてしまう可能性が高くなり、予算の見直しを行うための打合せ回数も増加していきます。
打合せを行う際に、言葉だけで希望や意見を伝えようとすると正確に要望が伝わらず、住宅会社との間に誤解が生じることがあります。その結果、出てくるプランや見積書に相違が発生し、修正のための追加打合せが必要になる場合があります。また、打合せのメモや議事録を残さないままプランニングを進めてしまうと、伝わっていると思っていたことが見落とされたままプランが進行し、結果的に打合せをやり直す必要も出てきてしまうため、情報共有の不備は打合せ回数の増加につながってしまいます。
家づくりの途中で新たなアイデアや要望が浮かび、仕様変更や追加の要望が発生することで、打合せの回数が増えてしまうことがあります。「当初の予定より収納を増やしたい」「選んでいた設備のグレードを変更したい」など、計画が進むにつれて具体的なイメージが湧き、変更を希望することで、図面の修正や費用の再計算が必要になり、それに伴って打合せ回数も増えてしまうことになります。
注文住宅では家族全員がそれぞれに理想の住まいを考えることになるため、ご家族の意見が一致しないまま家づくりを進めることで打合せの回数が増えてしまうことが多くあります。例えば、ご主人主体で家づくりを進めていた中で、あとから出てきた奥様のご要望によってプランを大きく見直す必要が生じ、それに伴って打合せ回数も増えてしまうという事もありますし、打合せの最中にご家族の意見がまとまらないと決定事項が持ち越しになり、打合せ回数が増えてしまうということもございます。更に、多世帯住宅の場合にご家族の意見に相違があると、その打合せ回数は大幅に増えていってしまうことになります。
ここまで、注文住宅での打合せ回数やその内容、打合せ回数が増えてしまう要因についてご紹介いたしました。次に、注文住宅の打合せを円滑に進めるためのポイントを、大きく5つに分けてご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。
注文住宅に限らず、オーダーメイドのものづくりにおいて、目的やテーマを明確にしておくことはとても重要です。家族全員で「どんな暮らしをしたいのか」を具体的に話し合い、家族共通の家づくりのコンセプトやテーマを明確にしておくことで、住宅会社に要望を的確に伝えることができ、打合せ中の迷いや方針のぶれを防ぎながら家づくりを円滑に進めることができます。例えば、子育て世代であれば「家事が楽になる暮らし」や「子供がのびのびと成長する住まい」、趣味を楽しみたいご家庭では「音楽が中心にある住まい」や「アウトドアを愉しむ暮らし」等、家族ごとの生活スタイルや価値観に応じた具体的なテーマを設けることで、家の間取りや仕様を決めやすくなり、少ない打合せ回数でスムーズに家づくりが可能になります。また、家族それぞれの希望をリスト化し、優先順位をつけておくことで、より効率的な話し合いができるようになります。
多くの方にとって打合せ中に目にする図面やカタログだけでは、間取りの大きさや設備の使い勝手をイメージすることは難しいため、モデルハウスや設備のショールームを訪れて、実際の間取りや設備の実物を直に確認しておくことがとても重要となります。間取りや設備を実際に確認しておくことで、図面上の間取りや設備、動線などをイメージしやすくなり、住宅会社との打合せを円滑に進めることができます。また、見学時に気づいたことや疑問点を事前にメモしておくことで、打合せでより具体的な質問をすることができ、打合せを効率的に進めることができます。更に間取りや設備の実物を確認しておくことは、完成後の「思っていたのと違う」を防ぐことにもつながります。
打合せを進める前に、家づくりの予算上限を家族で確認しておくことも重要です。さらにご家族それぞれのご要望も細かくリスト化し、その優先順位を決めておくことで、予算をかける部分とかけない部分とが明確になり、家づくりを円滑に進めることができます。注文住宅の家づくりでは、自由に設備や仕様を選ぶことができ予算が膨らみがちになるため、「これだけは譲れない」というポイントを明確にし、他の部分は妥協するなどの判断基準を設けておくことで打合せがスムーズになり、家づくりを円滑に進めることができます。また、余裕のある資金計画を立てておくことで、後から変更や追加が必要になった場合にも対応しやすくなります。
打合せを円滑に進めるためには、あらかじめ疑問点や確認したい内容をリストアップしておくことが有効です。何を聞くべきかわからない場合は、住宅雑誌や住宅関連サイトを参考に、自分たちの気になる項目を整理しておくとよいでしょう。事前に質問を用意しておくことで、打合せ中に確認事項を漏らしてしまうことや話が脱線することを防ぎ、効率よく打合せを進めることができます。また、事前に打合せの予習をしておくことで、後から追加の打合せが必要になるリスクを抑えられ、家づくりの回数を減らすことが可能となります。
毎回の打合せ内容を記録しておくことで、情報の整理や確認が容易になり、認識のズレを防ぎながら打合せを円滑に進めることができます。住宅会社の担当者にメモや議事録を提供してもらうことはもちろん、ご自身でもノートやデジタルツールを使って要点をまとめておくとよいでしょう。特に図面や仕様の変更点、コストに影響する要素については詳細に記録し、後から確認できるようにしておくことが大切です。必ず口頭だけでなく、打合せ内容を文字に残しておくことで、記憶違いや「言った、言わない」のトラブルを防ぐことができ、家づくりをスムーズに進めることができます。また、打合せ前に前回の記録を見返してことで、より短時間で効果的に打合せを進めることができるでしょう。
今回は、注文住宅の打合せ回数や期間、具体的な打合せ内容について詳しくご紹介し、円滑に進めるためのポイントも解説いたしました。家づくりはほとんどの方にとって初めての体験ですが、このコラムが効率的に理想の家づくりを叶えるための一助となれば幸いです。
さらに家づくりの流れを詳しく知りたい方、実際の施工例をご覧になりたい方は、ぜひ花みずき工房のイベントへお越しください。家づくりの専門家であるスタッフが、丁寧にご説明し、皆様の理想に向けてしっかりサポートいたします。