近年、日本で建てられている戸建住宅の約9割が木造住宅で、中でも在来工法と呼ばれる「木造軸組み工法」がその8割のシェアを締めています。これは日本古来から用いられている建築方法で、基礎に立てた柱に水平の梁を渡し、斜めに筋交いと呼ばれる木材を入れて補強して住宅の骨組みを形作るのですが、花みずき工房では更にここに「耐力面材」と呼ばれるボードを加えて耐震性を高める「木造軸組みパネル工法」を採用しています。そこで今回は、この耐力面材「タイガーボード」について詳しくご説明させていただきます。
耐力面材「タイガーボード」が高める耐震性
高性能無機質系耐力面材
「タイガーEXハイパー」
代表的な木造住宅には前述の在来工法(木造軸組み工法)以外にも、2×4(ツーバイフォー)工法で知られるパネル工法(木造枠組壁工法)がございます。パネル工法は面で構成するモノコック構造で耐震性に優れている一方、壁の配置や間取りに制約が出てしまいます。そこで在来工法に面で支えるパネル工法の長所を掛け合わせたハイブリッドな工法が「木造軸組みパネル工法」なのですが、その際に用いられるボードが「耐力面材」です。
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柱と梁で形作る構造体は真上からの重さに強い一方で、地震などで加わる横からの力(水平荷重)には非常に弱いため、一般的には筋交いと呼ばれる斜めの木材で補強しますが、更に耐力面材で補強することで点で受ける力を面に分散し、建物の耐震性を高める事ができます。
耐力面材は木材を主な原料にした「木質系」と、木材以外の材料でできた「無機質系」の2種類に大きく分けられます。
木質系には構造用合板やMDF、OSB等の種類があり、比較的安価で軽い等のメリットがありますが、木削片や木質チップを接着剤で熱圧縮した木質系面材は化学物質の含有量が多い上に透湿性能も低く、耐火性や耐水性にも不安があります。
一方、花みずき工房が採用している無機質系の「タイガーボード」は石膏を主材とする自然素材系の耐力面材で、木質系の材料と比べて火に強く、優れた耐火性や透湿性を有しています。中でも外壁下地用に最適化された「タイガーEXハイパー」は、高防水・高防カビ性能も付加されており、防蟻処理も不要な優れた耐力面材です。
タイガーボードの中でも最も木造軸組みパネル工法の耐力面材として適した商品が「タイガーEXハイパー」で、花みずき工房でも採用している本製品には下記のような特徴があります。
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タイガーボードは住宅の耐震性を高めるだけにとどまらず、資源を有効に活用し、地球環境に配慮してつくられた製品です。タイガーボードの原料はおもに石膏と紙であり、石膏の原料はプロセスから大きく3つに大別されます。そのうち約50%は国内の火力発電所などから化学的に副生される「副生石膏(化学石膏)」を利用しています。次いで「天然石膏」、新築現場などから発生する「廃石膏」を利用することで、廃棄物の削減に取り組んでいます。また、「紙(ボード原紙)」は、主に回収された古新聞や雑誌、段ボールなどからの再生紙が使用されており、森林資源の保護に貢献しています。
今回は、花みずき工房が耐力面材として採用している「タイガーEXハイパー」について詳しくご紹介致しました。優れた耐火性能と透湿性能と共に住まいの耐震性能を向上させてくれるタイガーボードは、花みずき工房の家づくりに欠かす事のできないとても大切な製品です。
定期的に開催している「構造見学会」で実際にご覧いただく事もできますので、詳しくお知りになりたい方は、花みずき工房までお気軽にご相談ください。