選ばれた丸太は製材所に運ばれて、住まいを支える柱へと姿を変えていきます。
花みずき工房では、主要な柱に無垢の「芯持ち材」を使用しています。芯持ち材とは、丸太の中心にある「芯」を含むように製材された木材のことです。一本の丸太から柱を切り出す際、木の中心部分を含むため、木が長い年月をかけて成長してきた年輪が柱の中心から広がるように現れます。
芯持ち材は、古くから木造住宅の柱などに広く用いられてきた材料です。特にヒノキは、耐久性や耐朽性に優れ、構造材として長く使われてきた歴史があります。一方、無垢材は自然素材であるため、乾燥の過程で収縮し、表面に割れが生じることもあります。そのため、木の性質を理解したうえで、適切に乾燥させ、一本一本の状態や性能を確認することが大切です。


製材された天竜ヒノキは乾燥窯で十分に乾燥させたうえで、「含水率」や「ヤング係数」を測定し、構造材としての品質を確認します。
木材の乾燥状態を示す「含水率」
「含水率」とは、木材にどの程度の水分が含まれているかを示す数値です。水分を多く含んだ木材は、施工後の乾燥によって収縮や反り、変形などが生じる可能性があります。
そのため花みずき工房では、含水率20%以下を柱に使用する木材の基準としています。
木材のたわみにくさを示す「ヤング係数」
「ヤング係数」とは、木材のたわみにくさや変形のしにくさを示す数値です。数値が高いほど、荷重に対してたわみにくい傾向があり、花みずき工房では一定の基準を満たした木材を構造材として使用しています。
こうした測定結果は一本一本の柱に印字され、使用する木材の品質を数値で確認できるようになっています。

また、木材の背景を知る指標のひとつに「FSC認証」があります。FSC認証とは、適切に管理された森林から生産された木材などを認証する国際的な森林認証制度です。森林資源を適切に利用しながら、豊かな森を次の世代へつないでいくための仕組みでもあります。
もちろん、住まい全体の強さや耐久性は、木材の性能だけで決まるものではありません。柱や梁の配置、接合部、構造計算など、さまざまな要素を組み合わせることで、一軒の家の安全性がつくられます。
そのうえで、木材を適切に乾燥させ、性能を数値で確かめ、どのような森林から届けられた木なのかまで目を向けること。それが、自然素材である天竜ヒノキを、安心して住まいを支える柱として活かすことにつながっています。