人が人生でもっとも多く接種すると言われている住まいの空気。近年、住宅の気密性能の向上に伴い、室内の空気に含まれるハウスダストや、建材に使用される接着剤などに含まれる化学物質への対策が重要視されるようになってきました。室内を快適な温度や湿度に保つ事ももちろん大切ですが、健康に暮らしていくためにはその空気が常に新鮮であることが重要と考えられ、2003年に改正された住宅基準法では、住宅の24時間換気が義務付けられました。これに伴って様々な住まいの換気方法や換気設備が誕生してきましたが、今回はシンプルな構造とパワフルな排気力が自慢の24時間換気システム「ルフロ400」をご紹介いたします。

換気とは外の新鮮な空気と室内の汚れた空気を入れ替えることで、24時間換気とは住まいの換気を24時間365日行うことを指します。高気密住宅で換気を怠ると、生活上家の中に発生するハウスダストやダニやカビなどの汚染物質を含んだ汚れた空気が部屋の中に停滞してしまい、人体に悪影響を及ぼしてしまいます。
そのため2003年に改正された建築基準法では、1時間あたり家の容積の半分の空気を入れ替えることが義務付けられており、家の容積が100㎥であれば1時間に50㎥換気できるシステムの設置が必要となっています。そうすることで室内に汚れた空気を留めずに、常に新鮮な状態に保つことが出来るのですが、換気システムの稼働音や電気代が気になっても、基本的にはスイッチを切ることは出来ないため、システム選びは慎重に行う必要があります。

24時間換気の手法は主に以下の3種類があります。一般的な住宅では吸気と排気の両方を機械で行う「第1種換気」か、排気のみ機械で強制的に行う「第3種換気」が採用されており、吸気のみ機械で強制的に行う「第2種換気」は食品工場やクリーンルームなどで採用されています。

第1種換気：吸気と排気の両方を機械で行う
第2種換気：吸気のみ機械で強制的に行い、排気は自然の力で行う
第3種換気：吸気は自然の力で行い、排気のみ機械で強制的に行う



更に、各部屋からダクトを通じて一か所に給気や排気を集めるダクト式と、各部屋にファンや排気口を設けて直接吸排気するダクトレス式がございます。

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花みずき工房ではなるべく機械に頼らず、自然の力を活用した暮らしを奨励しているため「第3種換気」を標準としていますが、今回ご紹介する「ルフロ400」も吸気は自然の力を利用し、排気だけを機械で行う第3種ダクト式の換気システムとなります。
光熱費やメンテナンス費用の負担を考え、シンプルな構造ながら強い吸引力の換気装置を1台だけ設置し、ダクトを通じて各部屋から集めた汚れた空気を、最大風量490㎥/hとパワフルな換気量で屋外に排出し続けます。
給気は各部屋に設置されたフィルター付きの換気口で自然に行うため、電気代やメンテナンス費用を抑えながら、家全体の換気を効率的に行うことが可能です。

換気システムの導入において、室内の空気環境を維持するためにはメンテナンスが非常に重要です。換気システムのメンテナンスが必要な箇所として、主にフィルター、ファン、熱交換素子（熱交換器が搭載されている場合）などが挙げられるますが、これらのお手入れや交換を怠ると、換気システムの性能が低下し、問題が発生してしまいます。特にフィルターには注意が必要で、フィルターは外気のほこりや虫、花粉などを絶えず蓄積してしまうため、これを放置するとフィルターは目詰まりを起こし、汚れた空気を室内に取り込んでしまう可能性があります。
そのような事態を未然に防ぐためには、定期的にフィルターの交換や換気ファンのお手入れをすることが大切です。

そんな中、ルフロ400はシンプルな仕組みでお手入れを簡単に設計されている事が大きな利点です。年に一度、各部屋に設けた自然給気口のフィルターを取り外して掃除機で汚れを除去するか、汚れが目立つ場合はやさしく水洗いすることで簡単に汚れを落とすことができます。また排気口にはフィルターもなく、汚れにくく設計された本体のファンの羽を取り外してお手入れするだけで、購入時と変わらない排気量を維持する事ができます。シンプルな構造で壊れにくく、メンテナンスコストも抑えることができます。

ルフロ400のもう一つの魅力はその吸引力にあります。最大風量490㎥/hと、一般的なパイプファンと比べ約12倍もの排気量を持つファンの力で、パワフルに排気を行います。この強力な排気量で、花粉やホルムアルデヒド、湿気などを含む家中の汚れた空気を確実に排気することができる他、トイレやシューズクローク、ペットの匂いなどを軽減することもできます。

さらに、ルフロ400には17段階で調節できるボリューム式のコントローラーがあります。普段はお客様それぞれの間取りに合わせた排気量で換気を行い、よりパワフルに換気したいときはボリュームを上げ、旅行などで長く家を開けるときはボリュームを下げて、簡単に適切な換気量に調整することが可能です。

24時間換気となると電気代や騒音にも注意が必要です。ルフロ400はその高い排気力にもかかわらずファン本体の騒音は非常に小さく、普段の生活ではほとんど気にならないレベルです。例えば35坪の住宅の場合の運転音は聴力試験室と同等の25㏈程度で、最大風量でも40dbと美術館内の静かさと同等の運転音となります。



さらに、１台のファンで95坪(天井高2,400mm想定)までの換気をまかなうことができ、電気代は約140円/月(延床面積120㎡31/kwの場合)と、24時間換気でありながらも非常に低いランニングコストで計画的な換気が可能です。

今回は、ダクト式第3種換気システムの「ルフロ400」についてご説明いたしました。高気密高断熱住宅において、空気を常に新鮮な状態に保つためには永続的な換気はとても重要です。シンプルな仕組みで作られたルフロ400は、パワフルな排気量を持ち、メンテナンス性やコスト面にも優れた換気システムです。換気システムはさまざまな種類があり住まいの条件やお客様の暮らしに合わせて選択する必要があります。これから家づくりをお考えの方、換気システムに興味のある方は、ぜひこの機会に花みずき工房のイベントにご参加ください。